お知らせ
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ペットが安全に暮らせる床材の“すべり基準”について

近年、ペット向けの床材として「すべらない」「すべりにくい」といった表現が多く見られるようになりました。しかし、どの程度の“すべりにくさ”であれば、犬や猫にとって本当に安全と言えるのか──その明確な基準は、これまで業界内に存在していませんでした。 そこでペットインテリア協会では、今年開催した展示会 「第8回ペットインテリア展」 において、床材のすべりに関する専門家である 東海大学・横井健 教授 をお招きし、セミナーを開催いたしました。
■ セミナー内容
セミナーのテーマは 「ペット建材の性能測定のナゾ」 でした。ペット向けの床材における「性能」とは、単に“すべりにくいかどうか”だけではなく、ペットが安全に暮らすために必要な複数の要素を、科学的に測定し、数値として評価できる状態にすること を指します。
“性能”という言葉には、次のような意味が含まれています:
【性能とは】
- 使用者にとってのモノの良し悪しを 数値で表したものであり、見た目や印象ではなく、「科学的に測れた数値で安全性を判断できる状態」 のこと
つまり、「どの建材がどれだけ安全なのか」を感覚ではなく数値で比較できる“客観的な指標”を意味する
セミナーでは、この「性能」という概念をもとに、床材がペットにとって本当に安全かどうかを測るための実験・分析の内容が紹介されました。
■ ポイント
- 犬や猫は床に直接触れて生活するため、床材の“すべり”は健康に直結する
- ツルツルした床で足が横に流れ、関節や歩行バランスに負担がかかる
- 犬と猫では犬の方がすべって怪我をする可能性が高く、犬がすべらない床であれば猫でも安全とみなして良いと思われる
- 東京工業大学(現 東京科学大学)横山研究室では、横井教授が在学中に犬の「歩き出し」「走り出し」「回り込み」の動作を分析し、どの瞬間にすべりが起きるか を科学的に検証
- 犬の足裏の正常を再現した専用装置で測定し、犬が安全に動ける床の“すべり性能”を数値化
- この測定により、見た目では分からない“性能”が客観的に判断できるようになった
- この測定装置は世界に1台しかない。論文を参照した模造品の作製は可能だが、原型機と同等の測定能力を有するかの検証が必須である
- 犬猫にとっては、家具や家電の上も「床」であるが、ペット用の性能評価方法はこれらにも同様に適用できる必要がある
- ペット床に必要な性能は、「すべり」のほか「かたさ」など、人間用と同様多数ある。かたさについては、ソファからの飛び降り時の衝撃吸収の研究を、金巻先生および午後の登壇者である堀井先生とともに始めている
- 測定方法のみが提案されている者の評価尺度が示されていない指標が多く、整理が必要である
■ 分かったこと
- 見た目が良くても、すべる床材はペットに負担がかかる
- 犬が安全に暮らすには、一定以上の“すべり性能”という客観的な基準が必要
- ペット建材の“性能”とは、ペットが怪我をせず安全に暮らせるかどうかを、科学的根拠で説明できる力のこと
- 評価尺度が示されていない測定方法も散見される現状があり、信頼に足る評価方法の整理が必要。
■ 協会が進める「独自すべり基準」の取り組み
協会では、専門家の助言を受けながら、ペットの歩行安全に関する“新たな考え方”の整理を進めています。現在は複数の専門機関と意見交換を行い、以下の専門家・専門機関と連携し、“ペットのための独自すべり基準” の整備を進めています。
●家庭動物住環境研究家(金巻とも子 氏)
ヒトと生活を共にする犬・猫の動作特性、負担のかかり方の監修● 一般財団法人ボーケン品質評価機構
第三者評価機関としての試験・検査監修また、具体的な基準値の決定には関わりませんが、基準策定方法の考え方などについては、東海大学で床材の性能評価に関する研究を専門にされている横井健教授の助言を得ています。
■ 協会の役割
ペットインテリア協会では、床材メーカー・建材メーカー・住宅関連企業・ペット企業など
床の“すべり”について検査を希望される企業・団体の皆さまに対して、窓口としての橋渡し役を担っています。必要に応じて、東海大学 横井教授を通じたすべり抵抗値の測定に関して当協会からご案内が可能です。■ すべり検査・ご相談について
床材の「すべりにくさ」に関する検査のご相談は、一般社団法人ペットインテリア協会までお気軽にご連絡ください。以下のリンクより承っております。