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お知らせ

  • 2026-02-17

    ペット向けインテリアの“動物行動学的評価 ~犬猫にヒヤリングするコツ~

    講師の堀井隆行先生がセミナーで講演している様子

    「ペット向け」として販売されているインテリアや建材。人間にとって「丈夫」「汚れにくい」「デザインが良い」ことは分かりますが、果たして「ペット自身は本当に気に入っているのか? 安全だと感じているのか?」という疑問を持ったことはないでしょうか。

    そこでペットインテリア協会では、2025年の展示会「第8回ペットインテリア展」において、動物行動学の専門家である ヤマザキ動物看護大学・堀井隆行 先生をお招きし、科学的な視点からペットの「本音」を探る手法についてのセミナーを開催いたしました。

    ■ セミナー内容

    セミナーのテーマは 「ペット向けインテリアの動物行動学的評価 ~犬猫にヒヤリングするコツ~」 でした。 ペットにとってのインテリアの「良し悪し(安全性、快適性、好み)」を、飼い主の思い込みではなく、「動物行動学的評価」 という科学的な手法を用いて客観的に判断する方法について解説いただきました。

    “動物行動学的評価”とは、具体的に以下のようなアプローチを指します

    【動物行動学的評価とは】

    • 設定した環境条件下で動物の行動を観察し、安全性や快適性、嗜好性を評価する方法。
    • 「使ったから気に入っている」と単純に判断するのではなく、「どちらを素早く選んだか」「どちらで長くくつろいだか」といった行動の質や量を分析する。

    「使っている」=「お気に入り」とは限らない

    飼い主の自己満足でペット用ソファをペットに使わせているが、ペットの本心が分かっていない様子のイラスト

    動物行動学的評価とは

    環境条件を整えた部屋で、ペットの行動を観察して安全性や快適性を科学的に評価する『動物行動学的評価』のイメージ図

    ■ ポイント

    セミナーでは、言葉を話さない犬や猫から、インテリアに対する正しい評価(ヒヤリング)を引き出すための重要な「観察のコツ」が紹介されました。

    選択肢がなく仕方なくその場所を使っている様子と、2つの選択肢から好みの場所を選んでいる(二者択一試験)様子の比較イラスト

    単一のテストではなく、AとBを比較させることで、動物の明確な選好性が現れます。


    迷わず一直線にインテリアに向かう様子(反応潜時)と、リラックスして長時間くつろいでいる様子(滞在時間)のイラスト

    選択までの時間が短い、休息時間が長いなど、嗜好性や快適性の指標値から判断します。

    単に「選んだ・選ばない」の結果だけでなく、「選ぶまでの時間(反応潜時)」や「くつろいでいる時間の長さ」を測定することが重要です。迷わず素早く選んだり、伏せてリラックスする時間が長いほど、そのインテリアへの好感度や快適性が高いと言えます。


    飼い主の視線を読み取ってしまう『賢い馬ハンス効果』を防ぐため、サングラスや衝立(ついたて)を使って人の気配を消している実験の様子

    ペットは人の視線や動きを読み取るため、 サングラスを着用したり隠れて観察したりする工夫が必要です。

    動物は人の動きや視線に敏感です。飼い主が無意識に正解の方向を見たりすると、ペットがそれを読み取って行動してしまいます。実験時はサングラスをかけたり、姿を隠したりして、人の影響を排除することが不可欠です。


    「『右側にあるもの』を選んでしまう癖(位置偏好性)を見抜くため、インテリアの置き場所を左右入れ替えてテストしている図解」

    左右の配置を入れ替えてみたり、試す順番をランダムにしたりして、位置や順序による偏りを防ぎます。

    個体によっては、対象物の中身ではなく「片側にあるもの」を常に選ぶ癖(位置偏好性)がある場合があります。置く場所をランダムに入れ替えて確認する必要があります。

    例えば「滑りやすい床」を歩いた直後は、その警戒心から次の床での歩き方が変わってしまうことがあります(順序効果)。テストする順番をランダムにする工夫が必要です。

    ■ 分かったこと

    科学的な視点で「良し悪し」を評価する重要性
    「ペット向け」と謳うためには、人間の主観ではなく、動物行動学に基づいた客観的なデータによる裏付けが重要です。

    観察環境の設定が結果を左右する
    人の立ち位置や視線、サンプルの提示順序など、環境条件を細かく設定することで、初めて信頼性の高いデータが得られます。

    家庭での「うちの子ヒヤリング」にも応用可能
    今回紹介された観察のコツ(人の気配を消す、選択肢を与えるなど)は、研究だけでなく、ご家庭で愛犬・愛猫の本当の好みを知る際にも役立ちます。

    科学的なヒヤリングは、優れたペット用品の開発だけでなく、家庭での愛犬・愛猫への理解にも役立ちます。

    ペットと飼い主が仲良くリビングで遊んでいる様子の画像

    ペットインテリア協会では、今後も専門家の知見を取り入れながら、真にペットが快適・安全に暮らせる住環境の普及に努めてまいります。