お知らせ
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猫の“おでかけ体験”がつくる「もしも」への備えについて

災害、通院、来客、引越し──。完全室内飼育の猫であっても、“非日常”の出来事は突然訪れます。しかし、普段から家の外の刺激に慣れていない猫にとって、避難や移動は極度のストレスとなり、場合によっては命に関わるリスクにもなりかねません。
そこで第8回ペットインテリア展では、猫の行動学に精通する佐藤藍子氏・坂崎清歌氏を講師にお迎えし、猫が安心して過ごすための“日常からできる備え”について、具体的なトレーニング方法や心構えをお話しいただきました。
■ セミナー内容
セミナーのテーマは 「猫さんと楽しむ「もしも」の備え ~通院・防災・日常をつなぐおでかけのすすめ~」 でした。
猫にとっての防災というと、「脱走しないように閉じ込めて守る」ことばかりを重視しがちです。しかし本セミナーでは、「外の刺激に少しずつ慣れておくことで心の健康を守る」という、より積極的な防災の考え方が紹介されました。 「おでかけ」を単なるレジャーとしてではなく、「環境の変化に適応する学習の機会」と捉え、日常の中に非日常を取り入れることの重要性が解説されました。
■ ポイント
セミナーでは、猫に無理をさせず、楽しみながら“外の世界”や“変化”に慣れてもらうための具体的なステップが紹介されました。
● 「閉じ込める」だけが安全ではない
「完全室内飼育」は猫の安全を守る有効な手段ですが、刺激のない生活は猫の適応力を弱めてしまう可能性があります。「安全」を守りつつ、キャリーやハーネス、カートなどを活用して安全に外の空気に触れさせることは、猫のQOL(生活の質)を高めるだけでなく、災害時や通院時のパニックを防ぐ最大の備えになります。

● 家の中でできる「おでかけ」の練習
いきなり外に連れ出すのではなく、まず家の中で「非日常」を体験させることが大切です。
• お家テント:テントを室内に広げ、「いつもと違う場所」で楽しく過ごす経験を作る。

• 車内を第二の部屋に:エンジンをかけない車内で過ごし、車を「安心できる場所」と認識させる。

• 家族以外の人慣れ:来客やシッター、獣医師など、「家族以外の人」からおやつをもらったり遊んでもらったりして、人に慣れる機会をつくる。

● 「いつも」の数値を知っておく健康管理
旅先や避難所では、環境の変化から体調を崩しやすくなります。そんな時、「いつもの数値」を知っていることが異変に気づくカギになります。
• インとアウトの記録:食事・水分量(イン)と、排泄・体重(アウト)を普段から記録しておく。

• 予防ケア:外に出る(避難する)ということは感染症リスクも高まるため、ワクチンや寄生虫対策は必須のマナーであり、命を守る盾となります。

■ 分かったこと
● 経験値が「もしも」の時のストレスを減らす
新しい場所や知らない人に慣れている猫は、災害時の避難や急な入院といった緊急事態でも、過度な恐怖を感じずに過ごせる可能性が高まります。「日常の延長」としてキャリーに入ったり移動したりできることが、猫自身の心と体を守ることにつながります。

● 飼い主の役割は「世界を少しずつ広げること」
「怖がりだから無理」と諦めるのではなく、その子のペースに合わせてスモールステップで経験を積ませることが重要です。猫の世界を少しずつ広げてあげることこそが、本当の意味での「もしもへの備え」になると分かりました。

ペットインテリア展では、今後も「動物行動学」の視点を取り入れながら、ペットと飼い主様が共に安心して豊かに暮らせるライフスタイルを提案してまいります。